嘘のような本当の話

今日、トビリシから少し離れた山のてっぺんにあるジュワリ修道院(ჯვრის მონასტერი – Jvari Monastery)を見に行き、そのまま歩いて下山し、川の向こうにあるムツヘタ(მცხეთა – Mtskheta)の街へ歩いて行くことにした。
馬糞でぬかるんだ山道を下山すると、靴がものすごく汚くなった。ここまでは大丈夫。

川の向こうに渡る前に、高速道路を渡る必要があり、高速道路の下のトンネルを通ることにした。このトンネルが、池のように水が溜まっていたので、りゅさんは水に浸かりながら、私はりゅさんに支えてもらい、壁から10cm程しかない陸地をカニ歩きで歩いた。

トンネルを抜けた後もぬかるんだ斜面で滑って、とっさに掴んだ木がバラの刺々の枝だったり(痛)、もうパニック。
ついには廃れた工場のような広い敷地に出た。白骨化した犬の頭蓋骨などが落ちていた。ドラマとかで、主人公が敵に呼び出されて、殺されそうになるとこで使われそうなくらい、怖かった。
歩いてると敷地内の野良犬の大型犬(ボス)と、その子分のような犬が、ものすごい吠えて追いかけてきた。
ボスのほうが赤い目をしていて、そんな犬を今まで見たことが無かったので、「あぁ、私は今日ここで噛まれて死ぬのかもしれない」と思った。
りゅさんに「危ないから目を合わせないで」と言われながら、半泣きでゆっくり歩いた。しばらくすると、犬が吠えなくなり、ボスが私たちの先を歩き、ゴミ山の上でしばらく止まった後、消えた。
私たちはしばらくその敷地内で道を探したものの、人が通れそうなところがなく、ついに選択肢が無くなり、ボスが登ったゴミ山の上に登ってみることにした。

そうしたら…!
なんと、その先に、道とは言えないけど、なんとか人間が歩けそうな道を発見(T_T)

ボスは、私たちに道を提示してくれていたのだった。
お礼も言えないまま、とりあえず先に進むと、高速道路の脇に出ることができた。

そして高速道路の脇の道も、道なのか私有地なのかよくわからない道が続き、また別の野良犬のテリトリーに入ってしまったらしく、ものすごい勢いで追いかけてきて吠えられる。
「またか…」と思いながらも、吠えてる犬の尻尾を見てみると、「あれ?なんだか楽しそうな振り方してるな?」と気づく。

しばらくしてテリトリーを抜けたのか、犬は吠えなくなり、何だか楽しそうに私たちを先導するように歩いている。
そのまま半信半疑で犬に付いていく。
Google Mapにも載っていない、よくわからない道を、犬と一緒にしばらく歩く。
途中で私のほうにスリスリしてきて、

急になんだかホッとして泣きそうになる。
そしてしばらく歩くと…

なんと、目の前にムツヘタの街に繋がる橋が…(T_T)

りゅさんも驚いて、泣きそうになっていた。

私たちは野良犬たちのおかげで、迷い込んで出れなくなってしまった場所から、街に出るための唯一の橋を見つけることが出来たのだった。
犬にお礼を告げて橋を渡ると、途中まで犬も付いてきたが、私たちが橋を渡り終えると、ターンして戻っていった。

橋を渡った先にも、別の野良犬がいて

「こっちだよ!」と走って、道を教えてくれた。

ジョージアは、日本では考えられないような色んなことがあるけれど、それを忘れさせてくれるくらい、人間や動物の、優しさや愛情を感じさせてくれる、あたたかい国です
今日の出来事は不思議すぎて、嘘のように聞こえるかもしれませんが、本当の話です(真顔)
滑った際に、右足の筋がちょっと逝っちゃいましたが、無事に生きて帰れたことに感謝

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